これまで、概ね1週間に1回の頻度で投稿してきましたが、寄る年波で負担が重く、今年からは2週に1回と頻度を落とすことに致します。引き続きこのサイトに適時ご訪問いただければ、幸甚に存じます。なお、記事タイトルも一部遡及訂正している点もお詫び致します。
Lマニフェスト全体像の検討(その4)……財源について(年金制度抜本改革)
書きながら脱線に次ぐ脱線で、さぞ読みにくかろうと反省しております。マニフェストに乗せる政策の財源については、もちろん、埋蔵金や、短期・中期国債に依存する部分も適時生じても良い(やむを得ない)とは考えるわけですが、中心的財源は、(a)富裕層への年金バラマキの中止(要は計算上の場合を含めてこの部分は積み立て方式による計算額を支給する=つまりは、民営化可能の筈、移行時の精算は厄介だが、ルールを合理的に決めれば出来るはず)、(b)将来の道州制移行を前提に、国と地方の重複する公務員の削減による人件費削減を当てにする(定年非補充くらいに時間をかけて行うことにすれば出来ないことではあるまい。なお、この重複は10万人と一般には言われている。
この辺の抜本的改革は、各省庁の上級公務員人事の政治任用を軌道に乗せてゆくことが見合いで必要になろう。つまりは、公務員人事考課制度の抜本改革も併行して必要になると見られる(現行は年功序列制)。即ち、各省庁の政策・その根拠法規の作成についてはこれを事後評価し、その結果を反映させる形式で、人事権を政府に帰属させたり、この評価や人事が適正かどうかを審査する第3者委員会(これには、学識経験者・マスコミ・国会議員等が参加)の設置をすることが必要となろう。前にこのブログでも触れたと思うが、会計検査院(第3者委員会に対し審査用資料を作成提出する)の業務充実も、こうした制度改正に合わせて実行されるべきであろう。
この(a)富裕層への年金バラマキの中止は、政官・マスコミがここ1年間で作り上げた「日本的空気」(内容的には、財源消費税依存で年金制度は安心化可能)とは真っ向から対立するものであり、従って、(a)案は、実現不可能、実務的ではない、KY人間の発言、として否定されそうな内容ではある。しかしながら、近現代の日本の歴史を振り返れば、大平洋戦争の開始前・交戦中を通じて、戦争回避や・早期終戦への工作は、実現不可能との「空気」が作り上げられ、日本国民の犠牲者は310万人と、同様の立場にあったイタリヤの10倍以上の人的損害を発生させたのである。イタリヤで出来たことが、何故日本に出来なかったのか、その原因究明こそが、日本の近代化、民主化、構造改革のために肝要と言えるのではないのか。
(注)この項の内容は、既にブログで述べてきたところと重複するし、また、拙著・単行本
「日本の針路・戦略不在カイゼンへの道」(アマゾンでも取扱中)でも、より整理した形で
述べている。
要は、大平洋戦争は、日本の国力を超えるような無謀な戦争であったのが、大平洋戦争の無残な帰結をもたらしたものであるし、現在の公的年金保険制度は、日本の経済力・国力を無視するような内容であるから、当然のこととして保険の逆選択が起きたのである。この保険の逆選択(保険料未納者比率の上昇=約4割)をごまかすために、基礎年金は全額消費税で賄えというのが、厚労省・官僚の考え方である。つまりは、逆選択をごまかすための対症療法である。これでは、全員参加型(相互扶助の姿勢)の福祉制度など出来るわけがない。これは時間稼ぎと問題先送りであり、まさに、太平洋戦争の帰結と同様の、破滅への道を着実に歩むという針路を辿っていることになる。
(注)念のための記載であるが、日経新聞、’08年12月21日、経済論壇の中で、松井
東大教授は、消費税の逆進的性質を問題視している。
今の年金制度が、どの程度日本の国力・実力から乖離したものであるのかは、ブログ・拙著では経済財政白書のデーターを基に、筆者の勘ピューターの推算を加味しての計算結果を記載している。
そして、この国力以上の年金給付は、富裕層と言うべき人達にも所得代替率50%を適用した画一的・硬直的考え方、及び、平均余命が大幅に伸びたのに、定年が硬直的で、年金の給付期間が自動的に増え、かっての年金積み立て(保険料率)では、高額年金をまかないきれないという、資金繰り面の齟齬を生ずることに起因するものなのである。だから、一部年金の支給開始年齢を対症療法的に少しずつ後ずれさせる現行の修正手法は、目先のごまかしであり、責任回避・官僚無謬神話を温存する小手先の手段のように見える。この程度では、修正には時間がかかりすぎ、滅亡への方向から転進させることには、大幅な力不足であろうと推算されるからである。
この結論を納得するためには、本来ならば、毎年の所得階層別の分配所得統計、および、10年ごとにくくった、世代別の租税・公的福祉保険料の負担と、公的便益との見合いの状況(これは経済財政白書に図表形式で公表された)、について、或程度個人的に各自自分の年金がどうなるかが分かる程度に、既往の統計値(実績値)と将来の推計値とが公表されることが不可欠である。現状では、統計が官僚に独占され、推計値の妥当性を第三者が検証することさえ困難な状態にある。
こうした状況下では、妥当な原因療法を提案しにくい状態なのである。それでも、一般に団塊の世代は、最後の食い逃げ世代と言われているように、バブル期に給与の引き上げが過大に行われ、その上に、現行制度で所得代替率50%という過大な年金支給が富裕層にまで約束され、しかも彼等は定年後の余命が、制度設計時の想定より大幅に伸びてしまい、更に、その後の少子化で、賦課方式ではこの支給額を少数で低所得層を含む将来世代に負担させようという、無謀な制度設計になっていることは、今や容易に推察される処となっている。つまり、これが制度上の癌と推定される。それ故、小手先の微調整であるマクロスライドや、一部年金の支給開始時期の後ずれくらいでは、解決は到底困難と見られるのである。
むしろ、余命の伸びた団塊の世代は、超富裕層は別でも良いが、一般の前期高齢者は、ワークシェアリングで半舷上陸の形で名誉職(低賃金)として働いて貰い、この期間の年金支給を減らして貰う方が、本人の健康・精神衛生面から見ても、本人にとって良いことではないのか。また、複眼思考すれば、少子化は労働力の不足として当面は現れるから、これを補うのは、前期高齢者のボランティア的な労働力と、女性の就労比率の向上とでまかなうのが、社会全体としても良いことであろう。日本に不足する統計の整備充実(統計作成業務)とか、熟練労働の後継者養成とか、地方議会の議員には、議席数の一部に名誉職的な高齢者用の割り当て、女性にも同様の割り当てがあっても良い、というようなワークシェアリング対象の職場の工夫も、移行期の時限立法として、考えられて良かろう。そうして、この様にして追加投入される労働力は、一部、現役の長時間労働の是正、早帰りデーや、社会参加デーの設置という、別の民主化・近代市民社会化への教育活動・啓蒙活動に向けられること、これへの計画的誘導が為されることも展望されることが望まれよう。つまりは、ここまで、広範囲に、構造改革の工程表は準備されるべきであり、マニフェストにはこの辺まで、記載されることが、全体像として分かりやすいマニフェスト、ということになると思われる。これ等の記載は、将来の明るさを保証する道程を、それなりに示すものとなる筈であろう。
(注)なお、上記のような複雑な内容を実現するためには、
(1)理論と実務の橋渡しを行えるような特別のテクニックも必要である。このテクニック
については、竹内平蔵著「構造改革の真実・竹中平蔵大臣日誌」に具体例が多数
記述されている。
(2)上乗せ年金の支給開始時期については、画一的な制度設計ではなく、年金受給者
に「選択の自由」が与えられるべきである。その選択とは、平均余命からの逆算で、
名誉職労働期間を長くし、上乗せ年金受給開始時期を遅くすればするほど、受給
開始後の年金受け取り月額が、当然増える関係となるので、これは正に個々人の
考え方や、その環境条件で、各人が最善の選択を行うことが望ましいのである。
(3)将来の明るさを保証する道程については、詳細説明を要するが、紙幅も尽きたので、
これは次回(2週間後)回しにさせていただく。
この、年金制度の抜本改革は、構造改革の財源問題、労働者不足問題、官僚社会主義の三流統治機構、を同時的に解決する道筋と考えられる。また、同時にこれには、三流の政治家を選んできた大衆を、近代的市民に啓蒙向上させる手段としても、マニフェスト選挙は役立つ面が大きい、という考え方にも通じるものがあると見られる。もちろん、このためには、義務教育も・社会教育(2流のマスコミに対するカイゼン努力の工夫要請を含む)も、これに見合うように、構造改革の内容 研究が意識的に行われなければならないことになる。
なお、構造改革のもう一つの主要財源、公務員制度改革とこれに関連する道州制への展望については、次回(2週間後)に投稿する。



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突然、失礼しました。
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