資料13:保険理論の用語「逆選択」の解説
「逆選択」とは、保険理論の用語であり、金融実務辞典の解説を述べる。保険者は保険経営の要請から健康体、優良物件の保険を得ようとする(危険選択)、これに対し、保険契約者の側では、保険事故発生の可能性の高いほど進んで加入しようとし、更に料率水準から見て自己に有利な場合に好んで契約をする傾向が見られる。此を逆選択という。此を放置すると、大数の法則に基づく収支相等の原則が崩れ、経営上の困難を招く結果となる。つまりは、保険という制度を合理的に成立させるには、危険選択と危険度に合致した合理的な料率水準・体系とによって、逆選択を防止することが保険経営上の重要な課題である。
このことは、逆選択が起こるような、所得の再分配を行うのであれば、この制度の収入は社会保障税としてとるべきであろう。どの程度の租税を取り、どのように再分配を行うかについては、議会の選挙により、国民の審判を仰がなければならない問題である。
生涯所得を、現役の時期、老後にどう振り分けるのか、あるいは、どの程度自分の子孫に残すのかについては、個人の自由が本来尊重されるべきであり、つまり、任意保険の方が合理的である。安全網としての生活保障、そのための相互扶助は、強制加入の国民皆保険(社会保障=強制徴収の税金の対象)であって良い。なお、この区分は、徴税コスト、その他の実用面から多少の融通性があっても良いのだが、大きな逆選択が起こるということは、合理的な制度設計とは大きな乖離があると言うことであろう。強制保険と任意保険の並立の制度としては、自動車保険に見られるところであり、社会保障としての年金制度についても、此に準じた制度の再設計を考えるべきではないかと思われる。
なお、現行年金制度による不合理な世代間の所得の再分配(あとの世代ほど負担大)とその結果としての少子化の促進・進展が現状では見られる。つまり、悪循環が起こって、少子化が止まらないし、国の将来に明るさが見られないという問題が、現状では起こっている、また、続いているとの認識が、現状では必要である。その解決策が、与野党のマニフェストの争点となることが、日本国の将来の明るさ・幸せのために、必要と筆者は考えている。

