2009年08月15日

マニフェスト関連:少子化対策について、8月15日投稿


◎ワークシェアリングと整合的な労働需給対策(その4)、8月15日投稿

 今回も本論から遠い話のようになるが、マニフェスト選挙に関する党首討論への感想から話を始めたい。自民党麻生首相の主張は、このブログでは既に批判済みの(7月27日・8月6日付当ブログ参照)、経済学的に言えば動学理論の裏付けを欠いた、3流の内容であった。一方、民主党鳩山党首の、これに対する受け答えも、自民党と同程度レベルの議論に終始していた。ということは、「将来の方向性を意識し、その方向性を持つために、当面の4年間で為すべきことの優先順位は何かを語るもの」というマニフェスト本来の狙いからはかなり外れた内容で、この議論は終始為されたのである。ポピュリズムに迎合し、政権交代・権力指向自体を目的とする主張のやりとりであった。3流政治の寂しい限りの論戦であり、国民を啓蒙する機会であるはずなのに、これを全く無駄にした残念な内容であった。しかし、そうは言ってもまだ投票日に至るまでには、時日がかなりあるから、マスコミなどが注文を付けるなり、両党首に質問状を送付する様な方法で、もっと啓蒙に役立つような内容の論戦が、なお続けられるように期待したい。
 マニフェスト自体について言えば、民主党のマニフェストは、高速道路の無料化のように、バラマキ色が強い政策も含まれているが、少子化対策の金額が大きい点や、年金改革を全面的に行うという内容を持つ点(内容自体が正しいかどうかには疑問が残るが)などは、日本の危機に対する原因療法に多少近いという、評価すべき点があるのかなという感触が自民党案よりは強いと思われる。この辺を感触ではなく、もっと突っ込んで議論してもらわないと、国民の啓蒙に役立てたいという、マニフェスト選挙の狙いが、忘れられてしまう懸念があるわけである。
 マスコミ上に、今回の選挙は、歴史的転換点に当たり、日本の将来の方向性を争う選挙であって欲しいとの見方が、識者の評論の形で語られていた。
  例として、日経新聞夕刊・「十字路」欄:島根大名誉教授保母武彦氏の記事を引用紹介しよう。
 『…… 政権の継続か交代かは重要であるが、それだけで歴史的転換と言えるだろうか。…… 国際的には、20世紀の覇権国であった米国の衰退と中国その他の新興国の台頭の中で、日本は戦後続いた外交路線の見直しを迫られている。国内では、制度疲労した明治以来の中央集権体制の抜本的見直しなど、国家体制のあり方が問われている。…… 基本政策が似通った政党同士で、「政権の継続か交代か」を争う意義が何処にあるのか。このままでは、歴史的転換に乗り遅れるのではないか。投票日までの真摯な政策論争を期待したい。』
 もっともなご意見であるが、もう少し具体的な提案を伴わないと、2流のマスコミにも、国民への啓蒙の点からも、今ひとつの感が残り、より詳細な説明が欲しいところであろう。
 幾つかの問題を、筆者の独断と偏見を加えながら、各種施策の優先順位とそのように優先する理由を、以下では、具体的に考えてみよう。
 第1、外交路線で言えば、いよいよ、パックスロマーナ、パックスブリタニカ、パックスアメリカーナ、と続いた強大国の下での世界平和が、核兵器の存在もあって、漸く国際機関を中心にした多数決による平和維持が可能になるのか、或いは、ならないのか、が一つの問題点として浮かび上がってきたと言えるだろう。米ソ間の対立の下では、これは結局出来なかったのだが、米中間の話し合いの場合はどうなるのであろうか。周辺を見渡すと、先進国も、米・EC・日本と複数になり、中進国も、BRICsと複数になるので、多数決を多用しようよ、という機運が多少は出やすくなったと言えるのではないのか。此へ向けての発言が出ることを期待したい。また、核兵器によるテロの危険があり、その防止には国際間の協力の必要性が一層高まっていることも、この方向に向かっての有利な動きが出やすいという期待を高めるものとなろう。それだけに国連の役割が強まり、反面、集団安全保障や、国土の武力防衛のウエイトが下がっても良いと言うことになるのではなかろうか。此は楽観に過ぎるのであろうか。いずれにしろ、外交のこの点は、内政の制度改革とは独立に考えて良いから、以下の内政問題とどちらを優先すべきかの問題は、格別に詰める必要はないと見られる。
 第2、国内の制度疲労については、何を優先順位にして手を付けてゆくのかが問題となろう。筆者は、少子化危機が、@国内の複数の制度疲労の結果として出ていること、A少子化対策は効果が出るまでに時間がかかること、かつ、B少子化対策は将来に明るさをもたらすという点では、経済の需要面・供給面・技術進歩面、のいずれにも期待をかけ得る内容を伴うものなので、将来の希望という面では最強力の手段になると見られること、以上3つの理由から、優先順位第1位で手を付けることを主張している。すなわち、これには中央集権体制の中で、その弊害が目立つ、官庁間の縄張り争いの中止、信賞必罰体制の導入、高級官僚の人事権を各官庁から分離すること、などが実行の過程で必要となるものである。(内容説明は後述)  また、此は、国民生活の慣習の変更を伴うものであり、ワークシェアリング・終身雇用見直しといった制度の変化・日本教の修正が同時的に望まれることになる。
 第3、麻生首相の言う景気対策は、需要面の対策しか考えられておらず、少子化対策が需要面・供給面・技術進歩面での対策を含むことに対し、遙かに見劣りする内容である。この点は、少し以前の歴史や経験から見ても、小渕内閣等の需要面からの景気対策では失われた10年の不況からの脱却が出来ず、その脱却には小泉構造改革を必要としたことから見ても、この点は明らかであろう。少子化対策の需要拡大のみでは、需要が不足すると見られる場合にのみ、その後順位として、また、その不足分の穴埋めとして、あくまでも時間つなぎとして、こうした景気対策が是認されることになる。
 第4、国民の関心の強い年金制度改革はどのように扱うべきだろうか。筆者の考え方は、年金制度の破綻への道と、少子化の動きとは、相互に因となり果となって進行しつつあるものと見ている。そして、少子化を止めれば、年金制度の破綻を食い止めることは容易に出来るが、年金破綻を将来世代に付けを回す形で、つまり、消費税の増税のかたちで年金破綻を食い止めても、少子化は止まらず、ひいては、この方法では明るい将来を描くことが出来ない筋合いなる。詰まるところ、少子化防止と、年金破綻防止と、どちらを優先すべきかというと、少子化防止の方が優先だと言わなければならない。この辺を、国民に良く周知させることが大切であり、年金制度改革の場合、なるべく消費税増税を避け、世代内で余裕のあるところに負担を求める形が望ましいということの説得が、重要かつ必要と考えるものである。具体的に言えば、平均所得以上の国民には、制度改革後の年金は計算上の積み立て方式で支給することになる。(過渡期の急変を避けるつなぎ対策は当然別途過不足無く実施されるべきである)。(注)
   (注)当ブログ6月21日投稿記事で、日本の1世帯あたりの平均所得は、バブル期には、1988年か
     ら93年までの5年間で約545万円から660万円へと5年間で115万円増加した(約2割増加)。
     その後1993年から1998年の5年間は高水準横ばいであり、1998年から2007年の9年間
     で、約650万円から550万円へと100万円減少した(約15%の減少)。このように平均所得が
     大きく上下に変動すること考慮すると、年金支給時にその後の年金の支給額が決まる現行の年
     金制度にあっては、「現役の5割という所得代替率の維持」という、本来は年金の公平性を指向し
     た規則自体が、かえって大きな不公平をもたらすことになりかねない。要は、賦課方式自体が、
     大きな不公平をもたらしかねないのである。当ブログが、中以上の高所得層については、計算上
     の積み立て方式に移行すべきことを推奨する理由は、この点にもあるわけである。
 そうして、以上の様な正論が、何故此まで行われにくかったのかという点も、この際見直すことが重要である。此までの説明から、年金制度改革が出来にくかったのは、官庁間の縄張り相互不可侵の慣行や、日本教という生活習慣変更への抵抗感、といったものがあると見られよう。かくて、少子化対策は、年金制度改革とも整合性有る形で行うべしという、つまりは、少子化対策を、例えば児童手当の支出という単独の政策だけでは、その効果は限定的になるよ、という問題点が明らかになるのである。
 かくて、少子化対策は、年金制度改革との関係で、上記で注意喚起を行ったように、ワークシェアリング、若年層の総労働時間の短縮、長期雇用者の定年についての選択制導入、これを容易にするための税制改正、等が同時的に実施されなければならないのである。そして、これに官庁が抵抗するようであれば、小泉改革が成功した例にならって、年金制度の抜本改革の立案は、斉藤惇チーム・産業再生機構が行ったような方法で、時間がかかる公務員制度の全面改革を待たずに、一部これを先行実施する形で、行うことが望ましいということになるのである。
 第5、上記の案件を円滑に行うためには、日本教という難関があることも同時的に考慮する必要がある。このような複眼思考が是非とも必要と考えられる。これには、筆者の偏見かも知れないが、教育制度の改革が重要性を持つ。小泉改革が、「米百俵の精神」を掲げて国民に負担を求めたように、今回の年金改革や、ワークシェアリングなどの、将来の希望を取り戻すための改革においては、「米百俵の精神」を地で行く教育改革・その制度改革がなければならないと考える。それにつけても、ついこの間の安倍内閣の「ゆとり教育の是正」という教育改革は、かなりの方向音痴であったと言わざるを得ない。大学入試に狙いが偏った知育偏重教育という日本教育の欠陥は、ゆとり教育の是正という今回の学習指導要領の改正では、余り是正されない可能性が強いのである。世界の先進国の動きは、OECD諸国がPISAの学力調査が狙いとするように、知育偏重ではなく、論理的思考力、読解力の調査を行い、その向上を図っていると見られる。つまり、この学力調査は、論理的思考力の向上を狙いとする研究の動きなのである。此と対比すると、今回の日本の「ゆとり教育の是正」という動きが、遺憾ながら、方向音痴と言わざるを得ないことになる。
 日本の危機は、日本の教育の劣化からも、もたらされている。少子化の危機は、生物学の知識不足からも起きている。女性は20歳代で初産を経験しないと、異常分娩の比率が急上昇するという統計値があると言われる。また、30代で子育てをすると、乳ガンになる確率が急上昇するという統計値もあるようである。日本民族が絶滅種になるかどうか、少子化傾向が30年・40年も前から続いており、複眼思考をすれば、当然その対策が検討されなければならないのに、此までこの問題が殆ど無視されたのは何処に問題があり、何処に欠陥があったのであろうか。今頃女性が、30代になって「婚活」を口にするのは、義務教育の内容に欠陥があったからと言わなければならない。因みに、小学生の高学年に、理科の科目がかっては存在したそうである。そして、此は、ゆとり教育の実施と共に、理科に代わり消費生活教育に吸収されたという。そして、今回の「ゆとり教育の是正措置」では、小学校高学年での理科の復活が行われなかったのである。この事実も、ゆとり教育の是正措置が、方向音痴で行われたことの証左になると言えよう。
 日本の教育の方向性が、全体として方向音痴であったことは、理科系の大学入学者数が、最盛期の6割に減っているという事実にも表れているのではないのか。
 一方、全体の失業率は高くても、特に労働力不足と言われる職種は、介護職、産科医、小児科医、プログラマー、システムエンジニア、原子力技術者、など、理科系の技術職が不足している。此は教育政策の失敗と言えるのではないのか。このような事情を根拠に、前項の厚労省・年金改革プロジェクトと同様に、文科省の教育制度の抜本改革プロジェクトにおいても、小泉改革の斉藤惇プロジェクトチームのような方法で、教育委員会制度は今のままでよいのかとか、中央集権的な学習指導要領の全国一律のやり方でよいのかとか、ソ連邦の崩壊で、東西対立が無くなったのに、相変わらず文科省と日教組が、全国ベースで対立があるような事態は、異常ではないのか、とか。発想の転換・複眼思考の上で、教育への基本姿勢を問い直した方が良いと見られる。「ゆとり教育の是正措置」の際に改訂された「教育基本法」も、もう一度観点を変えて議論し直す必要があると見られる。此は、筆者の偏見かも知れないが、あくまで此は複眼思考が大切なテーマであると考え、厚労省と同様に、文科省の大失態の責任追及の形で行われるべきではないかと考える。
 第6の公務員制度の改革と、第7の道州制・地方分権の問題は、これらはこの4年間に集中的に議論をする問題で、勿論着手できればそれに越したことはないのだが、議論・答申を一本化することが、なかなか容易ではないと考えられよう。方向を決めることが難しいくらいだから、マニフェストに数値目標を掲げることが先ず難しいという大きなテーマである。両方とも、マニフェストの総論で、方向性を掲げることが出来れば、それで良しと言うことであろう。公務員改革については、厚労省と文科省で、その試行が行われることになる。斉藤惇チームが成功したような方法論の成果を、両プロジェクトが出してくれるかどうか、また、この両者は一部では協力関係も出てくるはずであり、これをどう処理するかも研究課題になると見られる。
 第7に、農林業問題・農地問題、地球環境問題にも触れられれば良いが、これらは、上記第1〜第5よりは、相対的に優先度が低いと考える。
 上記第1〜第5でも、相当錯綜しているから、これらを分かりやすく啓蒙することが、マニフェスト選挙では特に大切と考える。

 なお、漸く本題の「ワークシェアリングと労働需給対策」を次回には取り上げたい。

posted by 合成の誤謬 at 20:10| Comment(2) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

ホホホイ!ホホホーイ!って調子乗って八 メ ま く っ て たら通帳見て引いたし!!!!
まぁ欲しいモン買いまくってパチスロで遊んでてもすぐに貯まっちゃうからなーwwwww
セ レ ヴってホント金使い荒いと思うわwwwなんで俺みたいなのに10 マ ソとかくれんのwww

つかマジで金の使い道に困ってるんだよねwww誰かおせーてwwwヽ(´Д`;)ノ
http://EnVi.sTroWcrUe.net/ktgnh5n/
Posted by ヒ ャ ッ フ ーーー!!!! at 2009年08月17日 18:33

夏も終わりだから寂しい子が多いのかなー?めっちゃメールくるんだけどwww

・・・で、昨日気づいたんだが8月だけで会った女が合計30人を越えてたよ!!Σ( ̄△ ̄;)
1日1人ペースどころじゃねぇなwwwつーかやりすぎだろ俺!wwwww
ちょっとコレ31日までに諭 吉 さ ん100人いくんじゃねぇの!?www(σ゚∀゚)σワクワク

http://OmEtRoRo.com/Puru/8f8seg0/
Posted by 受信フォルダ整理めんどくせぇ! at 2009年08月23日 06:04
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